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聞いた話

 先に言っておきますが、私が話すからには怖くもなんともありませんよ。
 それに、怖い話って大して知りませんし。更に言えば――
 え? そんな事どうでもいいから、さっさと話せ? はいはい、話せばいいんでしょ、話せば……
 
 確か、昔読んだ雑誌に書いていた話です。
 一人で海釣りに来ていた人がいたそうです。
 その日、その人がのんびりと釣りを楽しんでいたら、何かが掛かった感覚――つまり、当たりがきたわけです。
 そして、ああだこうだと格闘しながら、釣り上げたわけです、掛かった獲物を。
 その釣り上げた獲物を見た時、その釣り人が目を見開いたかどうかは知りませんが、ともかくそれは、気味の悪いものでした。
 その掛かっていたものは、蛸でした。普通の蛸なら、いいでしょう、晩飯にもなりますし美味しいですし。でも、その蛸は普通じゃなかったんです。どう普通じゃないかと言うと、その蛸にはたくさんの髪の毛が絡みついていたそうです。
 それで、その釣り人は気味が悪くなって、その蛸を捨てて急いで帰ったそうです。
 この話、これで終わればいいんですけど、少し続きがあるんです。
 それから、数日後、海から一人の少年の死体が引き揚げられたそうです。
 その死体には、何かに食われたような跡がいくつもあったそうです。特に、頭辺りに、それが集中していたとか……
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