●● そこはかとなく日常short --- 寝言 ●●
「……お兄ぃちゃぁん」
「んー?」
囁くような声でコトミに呼ばれた気がしたので、テレビから視線を外しそっちの方に顔を向ける。が、コトミはソファーの上で横になり、小さな寝息を立てていた。
「何だ、寝言か……」
夢にでも俺が出てるのだろうか、などと考えつつ視線をテレビの方へ戻――
「お兄ちゃぁん……愛してるぅ」
「って、マテ! 起きろコトミ! 現実へ戻って来いっ!」
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